社労士試験で年金を学んだ時、一番驚いたのは遺族年金の充実度です。今シングルマザーなどの貧困が問題になっていますが、死別の場合(特に子持ちの寡婦)はすごく優遇されています。当然ながら、やむを得ず離婚した生別の場合には、遺族年金は出ません。シングルになった理由によって、国の保障が大きく違っているのです。
日本は育児や介護といった福祉的な部分を主に女性に担ってもらうことで、社会福祉費を減らしてきました。その恩恵として年金の第三号被保険者や配偶者控除という優遇措置を設けました。しかし近年、これまで想定してきた大黒柱の夫と専業主婦という家族形態が崩れつつあります。共働き世帯の増加や未婚率、離婚率の上昇などで、独身者やひとり親が増えています。特にフルタイムで働けない層が貧困になりやすい社会になっています。
本人の努力が足りないとか、離婚するのが悪いと「自己責任」で片づけるのではなくて、頑張れば生活ができる社会になってほしいなぁと強く思います。