ついこの間までITセミナーのベンチャー企業で働いていました。私は営業経験がなく、名刺交換も新人研修以来やったことがありませんでした。なので顧客との面談に同行する際は、粗相がないように常に緊張していました。何とかソツなくこなしているつもりでしたが、ある日私の名刺に苦笑いされたことがありました。
私の職種は当初「事務」だったのですが、ある時から企画職にチャレンジして、顧客面談も「企画」として同行していました。しかし名刺の肩書は「事務」のまま。社長が忙しくてなかなか新しい名刺を作ってくれませんでした。そのためセミナー内容についての打ち合わせに、なぜ事務員がやってくるのか?という空気をいつも感じていました。私はそれが嫌で、名刺に手書きで「企画」と追記することにしました。こうすれば、自分の立場を理解してもらえるに違いないと思いました。
最初の数社では、特に反応はありませんでした。ところがある時「手書きなんですね‥(苦笑)」と言われてしまいました。その時の空気から、まずいことをしたと思いました。
私は手書きについていいイメージを持っていました。手書きは個性も出ますし、あなたのために、というメッセージにもなります。しかし役職の追記はそういう意味合いとは全く違ったものであると気づきました。特に組織に属している場合、肩書きは重要です。それを名刺に反映しないということは、プロではないと公言しているに等しいのです。
また手書き修正の名刺を渡す場合は、必ず冒頭で謝罪をし、後日正しい名刺をお渡し(お送り)するのがマナーなのだそうです。全く知りませんでした。
こうしたビジネスの当たり前は、失敗して身に付けていくしかないのでしょうか。何がよくて、何が悪いのか、事前に全てを学ぶことは不可能ですし、正解がない振る舞いもありますよね。失敗は成功の元です。新米営業、これからも頑張ります!
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