真面目で優秀で、間違ったことはしない誠実な人が、必ずしも成功したり好かれたりしないのが世の中です。私は何の取り柄もない凡人なので、努力さえすれば報われて幸せになれると信じて生きてきました。しかし人に好かれたり、仕事で成功するのは、そういう真面目な人間ではないことに段々と気づいてきました。一生懸命やればやるほど、嫌な仕事や多くの仕事を押し付けられるだけです。自分を犠牲にしてもいいことなんてありません。
人は思った以上に自分勝手なので、人と付き合う時に自分を裏切らないことやどれだけ自分を引き立ててくれるかを基準に選んでいる場合が多いのです。だからこそ人に選ばれるために自分を犠牲にするのはやめたほうがいい。従順でいれば悪いようにはされないけれど、ただの駒にされる可能性も高いってことです。そして従順で人に嫌われないように生きている人が、支持されたり人気者になることはないように思います。
小説や映画で感動するのは、自分の私利私欲ではなく、広くみんなのために考えて行動する人の話だと思います。それが稀有なことだからこそ感動するのです。好かれるために自分を犠牲にするのではなくて、どうしたらみんなが良くなるのか、相手にとっていいのか、を本気で考えて行動できたらすばらしいことです。微妙な違いに見えますが、実際はすごく大きな違い。もしかすると努力の方向を変えるだけで、偉人になれるのかもしれない、と思ったりしています。
