斎藤兵庫県知事の選挙運動に関わったPR会社社長のニュースに注目しています。私が一番怖いと思ったのは法律の無知です。SNS運用を仕事として請負えば買収になる可能性が高いことを、この社長は知らなかったのではないでしょうか。人は誰でも自分の専門分野は熟知していても、畑違いの分野は知らないことが多いです。特に社長という立場だと、それを同じ目線で指摘し合えるメンバーがいません。大きな会社であれば各分野の専門家を顧問として抱えることができますが、小さな会社ではなかなかそうはいきません。
しかし「無知の知」というように、知らないことを自覚するのは困難です。自分が疑問に思うことは検索したり誰かに聞いたりできますが、疑問に思わないことは知ることが難しいです。今回もそういう例なのかなと思いました。また私たち士業は正にこの部分をサポートするために存在しているのだと感じました。
そしてもう一つ重要だと思ったのは、黒子は黒子に徹するということです。今回の社長は、斎藤知事の当選に大きく貢献したことをアピールしたかったのでしょう。しかし黒子が大々的に手の内を明かしてはいけません。今回の件で私自身も戒めになりました。